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しばらく重い空気が漂い、誰一人として口を開こうとしない。
そんな中、その沈黙を破ったのは香奈美の深いため息だった。
わざと大袈裟にしたのは分かっているが、周りが静かなのもあり余計に辺りに響く様に聞こえる。
青葉と2人して香奈美の方に視線を向けると
「もういいよ……」
ため息混じりにそう呟いた。
でもそれがどういう意味なのか私たちには分からない。
許してくれたのか、それとも呆れ返り投げ出すような意味合いなのか。
「それってどういう意味?」
私が聞けずにいると青葉が香奈美の様子を伺うように聞く。
瞬間、香奈美の眉がピクリと動き、また表情を強張らせる。
そして青葉を睨みつけるように見ながら
「そんなことも分かんない?あんたたちなんてどうでもいいってことよ!もう私に関わらないで!!」
吐き捨てるように言い放った。
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