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許してくれた?
思わずそんな淡い期待を抱いてしまうが、それもすぐに打ち砕かれてしまう。
香奈美はさっき以上に冷たく鋭い目で私を見ていたから。
そんなに都合よく物事が解決する分けないって分かっていたも突きつけられた現実はすごく辛いものだった。
私が諦めかけ、香奈美の腕を離しかけたとき
「じゃあ、青葉を私にちょうだい」
冷たい淡々とした口調で私に言った。
「おい!何だよそれ!!」
私よりも先に青葉が香奈美の言葉に反応する。
私は全く反応すら出来なかった---迷いが私を襲う。
「木下!?」
私の様子に気づいた青葉が私の肩を掴み大きく揺さぶってくる。
私はそれすらも反応できず、まるで人形の様にガクガクと体が揺れるのを感じていた。
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