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「分かってるよ!!」
珍しく青葉が吐き捨てるように言い、私を少し突き放す。
突然のことに戸惑いながら目を見開き青葉を見る私に青葉はすぐ気づき「ごめん」と小さく謝る。
青葉もいっぱいいっぱいなんだと気づき私も「ごめん」と謝り返す。
何となくお互い少し離れ距離を作り、二人の間に何とも言えない重い空気が漂いだした。
二人とも香奈美のことが大切だからこそぶつかり合う。
でも今はそんなことをしている場合ではない。
答えは見つからないが気持ちだけが焦りだす。
「俺から話すよ」
香奈美が消えた廊下の方を気にするように見ていた私に青葉がポツリとこぼす。
私が驚き振り向くと青葉は決心したような面持で私を見ていた。
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