6人が本棚に入れています
本棚に追加
「逃げないわよ……。聞けばいいんでしょ!?」
青葉の手を振り払うと腹をくくった様に言葉を口にした。
青葉はそんな香奈美を見て一息つくと少し安心した表情を見せる。
香奈美が自分でこう言ったらもう逃げ出したりしないって分かっているんだと思った。
こんな時にも長い2人だから分かる些細な事に私は少し嫉妬してしまう。
最近、自分の中にドロドロとした部分が広がってきているようですごく不快感を覚える。
でも今はそんなことよりも香奈美のことの方が大切だと必死に気持ちを切り替える。
「早く言いたいことあるんなら言ってよ」
なかなか話を切り出さない青葉に痺れを切らした感じで香奈美が言うと
「俺がずっと彼女のこと好きだったんだ」
青葉は香奈美を真っ直ぐ見つめ、間を入れずはっきりとした口調で言った。
.
最初のコメントを投稿しよう!