6人が本棚に入れています
本棚に追加
あまりにもストレートな青葉の言葉に私の心臓は大きく跳ね上がる。
香奈美は驚きの顔で青葉を見つめ動揺の色を滲ませる。
でもすぐに落ち着きを取り戻した顔になり
「知ってたよ。……知ってたけどこんなにはっきり言われるとは思わなかった」
少し呆れ気味に言葉を落とすと今度は私の方を見て
「杏奈もでしょ?」
何故か悲しげに聞いてきた。
思わず答えに迷うが、こんな悲しげに聞く香奈美を見るとこれ以上、嘘をつくことが出来なかった。
「香奈美、ごめん」
つい謝りの言葉が出てしまう私に香奈美は微かに笑うと「言って欲しかったな」と小さく溢す。
そのとき初めて香奈美は私が自分の気持ちを隠していたことを悲しんでいることに気づく。
「ごめん!ごめん香奈美!!」
すごい勢いで香奈美にしがみつきながら私は謝り続けた。
.
最初のコメントを投稿しよう!