10人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれ?あの子って椎名といつもいる子じゃないか?」
要の声に俺は敏感に反応し窓から身を乗り出し彼女の姿を探す。
彼女の姿なんてすぐに見つけられる。
遠目だけど久しぶりに見た彼女の姿にホッとしたが、同時に胸の締め付けを感じた。
たった1週間ちょっと見ない間に痩せた気がして歩き方にもどこか弱々しく見える。
「大丈夫か?なんか具合悪そうだけど」
要が俺の横からひょっこり顔を出してきた。
「そうだな……」
要に相づちを打ちながら今すぐにでも彼女の元に行きたい気持ちをグッと堪える。
行っても彼女を困らせるだけ……
行っても、また彼女を追いつめてしまうだけ……
そう自分に言い聞かせながら彼女の姿が見えなくなるまで目で追う。
.
最初のコメントを投稿しよう!