悲しい決断

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 おばあちゃんの言葉に私は足を止め 「おばあちゃん、私お父さんの所に行くから連絡しておいてもらってもいいかな?」  振り向くことなく背を向けたまま言う私におばあちゃんは「伝えとく」と一言だけ返してくれた。  何故か言葉を口にしただけで気持ちが少し軽くなったような気がした。  多分、誰かに言ったおかげで自分の中だけに溜め込んでいた迷いが少し断ち切れたのかもしれない。  口にしてしまった以上、もう後戻りは出来ない。あとは進むだけ。 「いってきます」  さっきよりもはっきりとした口調でもう一度言うとドアを開け家を出た。  久しぶりの外の光は眩しく空気は済んで感じる。  その空気を思いっきり吸い込み心地よい風を頬に感じながら私は学校へと向かった。 .
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