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話したいことは、いっぱいあったはずなのにそんな風に切り出されると思い浮かばない。
何から話したらいいのか迷ってしまう。
そんな俺を香奈美は苦い顔で見てきた。
「責めてるの?私を……」
予想もしなかった言葉が香奈美の口から溢れる。
「そんなこと……!」
慌てて否定するが香奈美の顔はさっきまでとは打って代わり悲しみに歪んでいた。
「杏奈が学校に来れないのは私のせいだと思ってるんでしょ?」
香奈美の目にうっすらと涙が浮かんでいる。
言いながら自らを責めているようにさえ見え痛々しさを感じてしまった。
「違う!そんなこと思ってない!」
香奈美をなだめようと必死に訴えるが、その表情は変わらない。
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