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｢何で杏奈が自分を責めなきゃいけないのよ｣
香奈美には彼女の気持ちがまったく理解できないようだった。
本当はこんなこと他人の口から言うものではないと分かっていたけど、俺は香奈美の彼女に対する誤解を解きたい一心で渋々話した。
一度はフラれたこと。
どんなに彼女が迷い苦しんでいたかを。
そして何より彼女がどれだけ香奈美のことを大切に思っていたかを話した。
俺が話している間、香奈美はずっと俯き加減で難しい顔をして聞いていた。
そして俺が話し終えてもまだ香奈美はしばらく難しい顔をしたまま俯き何も話そうとしない。
俺はそれを目の当たりにして香奈美が俺の話をどう取ったのか気になって仕方がなかった。
でも香奈美を急かすようなこともできず自分から口を開いてくれることを祈る。
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