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あれから2度目夏がやってきて、この時期になると妙に恋しくなる。
そんな時は携帯を開き、去年青葉が送ってくれたあの丘の写メを見ていた。
私が一番好きな太陽の陽が反射してキラキラ光る海の景色。
目を閉じ耳を澄ませば波打つ音さえも聞こえてきそうだ。
「杏ちゃん準備できた?お父さんがもう車で待ってるわよ」
部屋のドアを軽くノックされ小夜子さん……お義母さんが顔を覗かせる。
私は携帯を閉じると用意してあった鞄を持ち立ち上がる。
「うん、今行く。小夜子さん未来は?」
いつも小夜子さんの後をついて回り足にまとわついている未来の姿を探す。
「もう車に乗っちゃってるわよ。出掛けるのが解ってるのね。朝から大はしゃぎで大変」
小夜子さんは笑いながらその様子を話してくれた。
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