北条企画

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『その北条企画って、真由美の会社なんです』 豊が、恐る恐る答えた。 『えっ、なんだって……』 良雄は豊から意外な事実を聞かされて、頭の中が真っ白になり固まってしまった。 『もし、もし』 良雄は豊の呼びかけに、はっと我に帰った。 『あぁ、失礼、真由美はこの事を……』 『多分、忘れているんじゃないかと思います。 真由美から聞いていると思いますが、 僕は病気なんです。 部屋から外に出ようとすると発作を起こすんです』 豊がそこまで話すと良雄が、 『電話じゃなんだから、私がそちらに行こう』 『宜しくお願いします』 豊が礼を言って電話を切った。
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