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「控えおろう。
頭が高いぞ。
この印籠が目にはいらぬかぁ……」
唐突に豊が発した言葉に何事かと思い、ふと頭を上げた亜紀が信じられない物を見たかのように、
口を半開きにして固まっていた。
豊の言葉に瞬時に反応した真由美が、
『ハハーッ』
と言いながら、ガバッと平伏したからである。
(ほんま、あかんわ。あたし悪夢づけだわ)
亜紀は右手で両目をこすった。
豊も自分の発した言葉の威力に、驚きを通り越して呆れていた。
豊は妄想を払うように首を左右に振った。
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