匂いフェチ

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天空拳では、一級までが鼠色の胴着。 初段が薄いブルーで二段、三段、四段と濃さが変化する。 五段は紫色の胴着。池袋の道場は、館長の雲渓(うんけい)七段だけが紫である。 豊は、汗で湿った真由美の薄いブルーの胴着を手に取り、汗の匂いを嗅ぐ。 甘ずっぱい体臭の匂いが鼻孔をくすぐる。 不思議だ ……金木犀(きんもくせい)の香りがする ……金木犀のお茶を毎日飲んでいるからなのか……。 この匂いのする女性をもう一人知っている。 最初は、香水の臭いだと思っていた。 試合を始める前は、無臭であった。 練習後、微かな臭いを真由美の身体から感じた香であった。
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