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慌てて豊がドアを開けると、真由美と叔父さんが立っていた。
「駅で、ばったり会ったので、
『何処に行くの』って聞いたら、お兄ちゃんとこ、というから案内して来た。
じゃあ、またね」
真由美が立ち去ろうとする所を、香が呼び止める。
「真由美にも、関係ある事だから、一緒に上がって……」
香が、白い円形のテーブルの下に収納されている椅子を出して、二人を座らせる。
「真由美、こちらは?」
良雄が尋ねる。
「いゃだぁ……、
お父さん……豊さんよ」
「……」
「すみません、叔父さん……驚かせて、わたしは、病気なんです。
多重人格で、現在の香が、一番安定しています。
仕事をする上で、香以外の人格は、支障をきたしそうなので……」
「そうなのか、女装趣味とかじゃなくて……」
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