宋雲の悲哀

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「いや、対極拳には千授千掌はないんだよ ……この拳法は、5年前に、ある老人に伝授してもらったんだ ……身の危険を感じた時に使用するようにと言われていたのに、 何故使用したのか自分でも不可解なんだ」 良雄が、首を傾げながら呟いた。 「その老人の名前は?」 香が尋ねる。 「宋雲」 「私が通っている道場の館長の師匠が宋雲です。 20年前に中国で師匠と生き別れになったという話を聞いたけど、今何処に?」 香が、息もつかずに一気に喋った。
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