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俺を含め、スピとミケも豹変したネロを睨みつける。今この瞬間からネロという男は敵となった。
「では、ごきげんよう」
ネロはそう言い残すと、ログハウスから立ち去っていった。
「んー、めんどうな事になったなー」
俺はネロの気配が完全に消えたのを確認すると両手を上げ、身体を伸ばす。
「そうだにゃー。別に邪魔なんてしにゃいのに」
ミケが部屋の角から移動し、丸太の椅子へ腰掛ける。ミケの言うとおりだ。俺たちは別にネロがやろうとしていることを邪魔するつもりは毛頭ない。スピが賛同するように小さくウンウンと頷く。
「あいつ相当なサディストだな。従わない者はみんな敵ってか」
そして勧誘の本当の理由は単純に自国の戦力増強と、それを断り、敵となった場合の戦力把握というところか。が、ゲーム開始から一年以上も経つ今になって動き出すその目的とはなんなのかは検討もつかない。
「でもほっといていいのかにゃ?」
「んー、何もない……って事はないか」
俺はこの先起きるであろう面倒事を想像し、大きくため息をついた。
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