………second story………

4/10
前へ
/18ページ
次へ
どうやらまた夢から覚めてしまったらしく、いつもの見慣れた風景を眺めていました。 夢から覚めた筈なのに、男の子の匂いは消えず、むしろさっきよりもはっきりと感じて、思わず匂いのする方へと駆け出してしまいました。 夢の僕よりずっと歳を重ねているから、あの頃より早く走れないせいで、気持ちばかり先に行っていたけど、老い始めてる体に叱咤しながら走っていました。 走る僕に何人か驚いた声で名前を呼んでる人が居た気がしたけど、そんな事がまったく気になりませんでした。 気がついたら僕は街を飛び出していました。 街から少し離れた場所を歩く、黄色いマントを羽織った人影から、懐かしい匂いを感じて、走りながら力一杯呼びかけました。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加