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滑り込む…もとい少し転びかけながら僕に向かって走ってくると、そのまま力一杯抱きつかれました。
少し苦しかったけど、なんだか幸せな感じがしたので、元気良く鳴いて答えました。
「貴方が連れてきて下さったんですね。本当にありがとうございます」
僕を抱きしめたまま、涙目で頭を下げました。
「いや…礼を言われる程の事はしていない」
「いえアーティーは私の命と同じぐらい大事なんです。だから本当に感謝しています。なんとお礼をしたら良いのか」
「これくらいで礼なんか…あっいや…じゃあまた…こいつに会いに来てもいいか?」
僕の頭を軽く撫でてくれたので、嬉しくてその手を舐めて答えました。
「はい!それは勿論!アーティーも貴方に懐いているみたいですし、是非来てあげて下さい」
「なら良かった。ありがとうな。じゃあ俺はこれで失礼するよ」
御主人様が何処かへ向かって行こうとしていたので、僕は慌てて手をすり抜けて駆け寄りました。
「ワン!ワン!ワン!」
「あっアーティー!」
立ち止まって僕の方へ振り向くと、しゃがんで頭を撫でてくれました。
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