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連れがいるのだろうか……小林豊は、辺りを見回す。
薄暗い公園は、シーンと静寂が支配しており、自分と女の子しか人影は見えない。
「ねえ、君1人?」
小林豊は、小さな声で女の子に語りかける。
豊の声が聞こえているのか、女の子は無表情でブランコを漕(こ)いでいる。
豊は、周辺に視線を泳がし、誰もいないのを確認すると先程よりは大きな声で、
「ねえ、日が暮れて公園は真っ暗になるから、帰ったほうがいいよ……お母さんが心配してるよ」
と云った。
豊の声が届いたのか、女の子が豊に視線を合わせる。
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