噴射器

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『ボッ』 小林豊が覗き窓から手を引っこ抜いた瞬間、炎が一瞬、メラメラと小林の全身を包んだ。 香は小林豊に抱き付くようにして上着を脱がし放り投げる。 小林豊は香が抱き付いた反動で床にドーンと倒れた。 「小林。大丈夫か」 前田がビックリしたような顔で小林に声をかけた。 「……」 「小林さん。 大丈夫よ。炎が全身に拡がる前に上着を脱がしたから」 「ありがとう」 小林豊は青ざめた顔で呟いた。
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