「嬉々迫る不幸自慢」

23/33
前へ
/33ページ
次へ
―――――― ――― 無理だ。 僕は早々に心の中で吐き捨てた。 何なんだ、こんな朝早くから集まりやがって。しかも何で団体なんだ。二日目だぞ。何でそんなに親しげなんだ。おかしいだろう。一ヶ月はケシゴムを落としても気付かないフリをするのが普通じゃないのか。和気あいあいとしやがって。奇奇怪怪としたメンツのくせに。 と、僕は吐き捨てた。心の中でね。思うだけでは犯罪にはならないから。僕は食券の列に並びながら納得する。 というか、列が長い。十人以上並んでいる。しかもペアやトリオになって談笑している。女郎蜘蛛さんとエレクトロマスターくんが前から四番目と五番目に並んでいる。何だあの二人は。デキてるのか? そしてやはり僕は一人。惨めだ。みんなが当たり前のように出来ていることが僕には出来ない。半端者だ。奇奇怪怪としているのは僕だ。異種族の中で浮いているなんて、それはもはや才能といっても過言ではないんじゃないだろうか。 さっきから、周りからの精神攻撃で鬱々としている。やはり購買でパンを買うべきだったんだ。こんなことになるくらい分かっていただろうに。何をしにきたん 「うぬ、おはよう。いい朝じゃな!」 「…………」 「ぬぬ……、挨拶くらいせんか」 キミが驚かすのが悪い。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

321人が本棚に入れています
本棚に追加