「嬉々迫る不幸自慢」

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サキュバスさんは腕で胸元を隠す。その方が胸が強調されて……いや、言わないでおこう。僕は優しいのだ。 「そ、そんなに胸を見るな馬鹿者。そんなことより、我の連合に入れ」 「……またか」 「当たり前じゃ! 昼間は逃げたじゃろう! 夜になれば我は本来の力を出せるからのう! もう逃がさぬぞ!」 フフン、と胸を腕で押さえながら胸を張る。流石サキュバス、言うこともすることも卑猥だ。 「それに、急に振り払ったりなどもしてくれたからのう……! それについて弁解してもらおうか……!」 クックックッ、とサキュバスさんは笑う。面倒なことになった。 僕は取り敢えず話を逸らしてみる。 「……そういえば、最近こんな話を聞いた。ウサギとカメがマングースを亀甲縛りにし」 「露骨に話を逸らそうとするな! なんじゃその意味の分からん話!? 捏造するな!」 すぐに看破されてしまった。
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