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何年、何十年…。何百年ぶりかもわからなかった。
できることなら、ずっとこのままで、いたかった。
たとえ、悠への気持ちが
「早枝」の「蒼」に対する気持ちなのかもしれないけれど、それでもよかった。
誰かを想う、その気持ちが幸せだった。
暖かかった。
…うれしかったの。
だから…。あの車に気付けなかった。
それは悠も同じだったと思う。
あの…。あの車に気付いたのは、それこそ本当にぶつかる直前。
もうダメだって思った。
だから、強く強く悠にしがみついた。
もう離れないように。
もう二度と、離れなくていいように…。
ぎゅっと、強く…。
…痛みも何も、感じなかった。
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