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4月、春。桜が満開に咲きほこり、新しい旅立ちを祝福す る季節。 そんな季節に私、新巻 沙耶(あらまき さや)も私立、盛福高校に入学する ことになりました!
そして今日は入学式です。 爽やかな目覚めで良いスタートを切る………はずだったので すが
「わぁーー!!!?遅刻遅刻!!どうしよう時間ないよ!!」
この通り、遅刻で大慌て。友だちとの待ち合わせ時間まで 残りわずか。
「とりあえず着替え!着替え!」
急いで着替えてリビングへ行くとお父さんはソファーで新聞を読み、お母さんはキッチンでお弁当を作っていて、リ ビングには美味しいな匂いがほんのりと漂っていた。
「ちょっと沙耶?時間大丈夫なの?」
朝からお母さんの小言が始まる予感。 「大丈夫!大丈夫!」
「だから昨日あれほど、早く寝なさいって言ったのに」
適当に流そうとするもお母さんには通用しません。 さすがお母さん。
「大丈夫だって!」
イスに座り、テーブルに並べられた朝食を頬張っていると
「あぁ、そういえば沙耶?」
お父さんが相変わらずの渋い声を発した。
「ん?なに?」
「お前のその制服」
「制服がどうかした?」
「…それで良いのか?」
「何言ってんのよお父さん!これで良いに決まって……ああ あーーー!!!」
リビングに私の叫び声が響く。
「何!?どうしたの!?」
お母さんが驚いてキッチンから飛び出してきた。
「制服間違えた!これ中学のだ!!どうしよどうしよ!!」
もう完全にパニック状態。
「いいから早く着替えてきなさい!!」
お母さんに叱咤され、気を取り戻し、何とか着替えを済ま せることができた。
「それじゃあ行ってきまーす!」
「気をつけるのよー?」
お母さんの返事が帰ってくる頃には、私はもう待ち合わせ 場所の公園まで駆けだしていた。
「まったく大丈夫なのかしらあの子」 「大丈夫大丈夫」
「アナタの大丈夫はあてにならないのよ…」
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