1話

4/9
前へ
/126ページ
次へ
時計に目をやると後10分。 家からバス停までは5分の距離。 ホッと一息つき 机をこんこんっとノックした。 「あら、もういくの?お母さんももう少ししたら行くから、気をつけなさいよ?」 …お母さんは心配性だな…と思いながらにこっと笑いながらうなずく。 リビングをでて玄関に行く。 靴箱から汚れ一つないローファーを履き、家を出た。 雀の鳴き声、人のしゃべり声…様々な音が聞こえ、ゆっくり体を伸ばした。 背中の骨がパキポキと小さくなる。 ふぅっ!と気持ちを引き締めバス停に向かう。 新しい服に新しい生活。 学校生活で一番はじめの楽しみがこのワクワクドキドキした気持ちを味わうこと。 くすぐったい気持ちを押さえるがニヤニヤは我慢できない。 声を出せばニヤニヤしなくてすむかな? なんてイマイチ訳の分からないことが頭をよぎる。
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加