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ザワ…
途端に食堂内の空気が変わった。大体予想はつく。きっと、彼等が来たからに違いない。
生徒会がーー
「見つけた…ヒナタ。」
そして、後ろから僕と同じ気配を纏った人が抱きしめて来た。
その瞬間暁が顔をしかめる。物凄い睨み付けてる。
「はっはっは…君ぐらいやで!純血種相手にそんな態度取るんは!」
すると関西弁で大笑いしながら超絶美形の男が登場してきた。この人は2年の生徒会会計の曽我星(ソガ ホシ)。ヴァンパイアの中でもかなり上の貴族になる。
「んだと……この似非関西ヴァンパイア」
「な、なんやて!!俺の家は皆関西弁や!」
「暁、やめて。曽我さんも暁をからかわないで下さい。それと、兄様…あれ程抱き着かないでと言ったでしょう。」
「どうして?僕は早くヒナタの側に居たくて仕方がなかったよ。」
「ですから…それは2人の時に…」
「2人の時にだなんて、大胆になったもんだね、ヒナタ。」
「おい、玖華白様、ヒナタから離れて下さい。」
「敬語が敬語になってないよ?二階堂君。」
「ちょっと!暁!兄様もそんな挑発するようなこと言わないで下さい!」
「……はぁ…ヒナタ。君は…いつになったら玖華白家としての自覚を持つのかな…。いくら二階堂君の家が上級貴族だからってそんな馴れ馴れしくさせるのは…僕としては凄い不愉快なんだけど……」
「…なら、尚更僕が玖華白家に居る方が可笑しいのでは?僕みたいな混血種を…」
「ヒナタ。混血種と言っても君には僕と同じ…純血の血が流れてる。それも最も濃い純血の血が…。だから誰も君に逆らおうとしない。吸血もしようとしない。抱こうだなんて変な考えを起こす輩も居ない…」
さっき思いっきり言われてたけどね…。抱いてみたいって…。
「…おい、こら。いい加減にしろ。ヒナタ、もう行くぞ。」
「あ、…うん。」
「待ってヒナタ…」
「ごめんなさい兄様。でも食堂でこんな話はするものじゃないと思うし…それに兄様もまだ食事はとってないでしょ?だから僕はもう行きます。じゃあ…」
暁に引っ張られ食堂を出ていった。微妙に握られてる手首が痛い…。
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