second night

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食堂の扉の前についた。 「ヒナタ、耳、塞いだか?」 「うん。大丈夫だよ」 そして扉を開ける。開けた途端、中にいた生徒はこっちを凝視。 「きゃーーーーー!!!」 「玖華白様だ!」 「二階堂様もいらっしゃる!」 「一度でいいから抱いてみたい…」 「しっ!恐れ多い事を言うな!玖華白様はあの方の弟君!」 「喋るだけでも光栄な事なんだぞ!」 「でも……玖華白ヒナタ様には…」 …僕の噂をしてる…。まあ確かに、本当だったら僕はこんな上に立つ人材でもないしね。 「あいつ等…」 「いいよ、暁。あんな事を言われてもしょうがないんだ。 だって僕は…“混血種”だから…」 「………俺は気にしねえけどな…」 「クス…だから暁と居ると楽なんだよね」 にっこり笑うヒナタを見た暁とその他有象無象共は顔を赤らめ、一部はトイレに駆け込んだ。 「ほんっと……お前って…」 クール氷仮面が崩れてる処を見てギャラリーが写真を撮っている。 「ねぇ暁。なんか食べよ。」 空いている席についてタッチパネルで注文を済ます。暁はまだ心配そうな顔だ。 「別に僕は気にしてないんだから…暁がそんな顔しなくてもいんだよ? それに僕を怒らせたら気配で分かるよ。混血種って言ったって只の混血種じゃないんだから。」 「そうだけどよ……俺は…」 「彼等だって僕の血には逆らえない。問題は無いよ」 「………それでも、俺はお前を守るよ。」 「……ありがとう…」 真剣な、全てを見透かすくらいの強い瞳をヒナタに向ける暁。暁の想いは本物で、ヒナタも心から嬉しいとも本当で、でもどこかに不安はあるもの。 「さて、暗い話はやめて楽しくご飯食べようよ」 「ふっ…そうだな。」 僕等が注文した食事が届き他愛もない話をしながら口に運ぶ。 「ヒナタ、ついてる」 「……ん、ありがと…」 僕が食べてるシチューの具が少し口の端についてて、それを暁が舌で舐めとった。 うん…いつもの事だから驚かないけど、ちょっとやめてほしいな…。周りがこっち見てるからね。 .
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