second night

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「痛いっ…暁…!?」 「………悪い」 「どうしたの…?そんなに兄様が怒らすような事言った…?」 「…違う。ただ…むしゃくしゃしただけだ…」 何だよ…もう。でもやっぱり怒ってたんだ。 僕の兄様は玖華白華月(クゲシロ カヅキ)。この学園の生徒会長。僕と同じ漆黒の髪に瞳はダークブラックの色。長身で超絶美形で、多分この学園で1番かっこいいと思う。弟っていう視点抜いてもね! ヴァンパイアの社会にも階級があって、お金持ちが多い。1番下が下級貴族、その次が中級貴族、1番上が上級貴族に分けられる。 ほぼ人間社会と一緒だけど、上級貴族の更に上がある。 それが、『純血種』 先祖から一滴たりとも他の血が混ざっていない、その一族の純血の血が流れてる種族のこと。その血は全てのヴァンパイアを従えさせ、逆らうことが出来ない。そして圧倒的力を保持する。 しかもその純血種の中でも特に強い一族が『玖華白家』。僕と兄様が生まれた家だ。実質、ヴァンパイアの王になっている。 他の純血種達も玖華白家には逆らおうとはしない。 「…チッ…本能的に逆らえねぇからお前を引っ張って離れるしかなかった…」 暁は本当に悔しそうにそう言う。でもね、普通そうなんだよ。逆らおうって意思があるだけでもすごいよ暁は。 「でも、暁は僕には最初っから反抗的だったよねー」 「だってそれはお前…純血の血が流れてるなんて知らなかったし……、いや、違うな。 気配で分かってたのに…お前見たら全然、恐怖とか無かったから……」 「まあ…それは僕が、世界で唯一の、 純血種と人間との間に生まれた『混血種』だからだね。 ーーーーーーーー」 そして、ヒナタは暁の手を取りグルンッ!と思いっきり捻った。 「っってえ!!!」 「でもこの怪力も力もぜーんぶ純血種のなんだからね。甘く見られちゃいけないなぁ」 「……コラヒナタ……!」 「クールなお顔が崩れてるよ?あーかーつーき。」 「上等だぁ…とっ捕まえてやる」 「きゃー!」 そして、2人の鬼ごっこが始まったのだった。 .
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