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「痛いっ…暁…!?」
「………悪い」
「どうしたの…?そんなに兄様が怒らすような事言った…?」
「…違う。ただ…むしゃくしゃしただけだ…」
何だよ…もう。でもやっぱり怒ってたんだ。
僕の兄様は玖華白華月(クゲシロ カヅキ)。この学園の生徒会長。僕と同じ漆黒の髪に瞳はダークブラックの色。長身で超絶美形で、多分この学園で1番かっこいいと思う。弟っていう視点抜いてもね!
ヴァンパイアの社会にも階級があって、お金持ちが多い。1番下が下級貴族、その次が中級貴族、1番上が上級貴族に分けられる。
ほぼ人間社会と一緒だけど、上級貴族の更に上がある。
それが、『純血種』
先祖から一滴たりとも他の血が混ざっていない、その一族の純血の血が流れてる種族のこと。その血は全てのヴァンパイアを従えさせ、逆らうことが出来ない。そして圧倒的力を保持する。
しかもその純血種の中でも特に強い一族が『玖華白家』。僕と兄様が生まれた家だ。実質、ヴァンパイアの王になっている。
他の純血種達も玖華白家には逆らおうとはしない。
「…チッ…本能的に逆らえねぇからお前を引っ張って離れるしかなかった…」
暁は本当に悔しそうにそう言う。でもね、普通そうなんだよ。逆らおうって意思があるだけでもすごいよ暁は。
「でも、暁は僕には最初っから反抗的だったよねー」
「だってそれはお前…純血の血が流れてるなんて知らなかったし……、いや、違うな。
気配で分かってたのに…お前見たら全然、恐怖とか無かったから……」
「まあ…それは僕が、世界で唯一の、
純血種と人間との間に生まれた『混血種』だからだね。
ーーーーーーーー」
そして、ヒナタは暁の手を取りグルンッ!と思いっきり捻った。
「っってえ!!!」
「でもこの怪力も力もぜーんぶ純血種のなんだからね。甘く見られちゃいけないなぁ」
「……コラヒナタ……!」
「クールなお顔が崩れてるよ?あーかーつーき。」
「上等だぁ…とっ捕まえてやる」
「きゃー!」
そして、2人の鬼ごっこが始まったのだった。
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