269人が本棚に入れています
本棚に追加
【ヒナタside】
あのまま、僕は暁に捕まって教室に戻った。結局、夜ご飯もあまり食べれないまま。
「はあ…お腹すいた…」
「あの純血種が来たからな」
「あのって…僕の兄様だよ?」
「兄様……ねぇ。向こうはどう思ってるか分かってんのか…」
「え?」
「………何でもねえよ」
変な暁。この時僕は暁がどんな顔で、そんな事を言ったのか、気付かずにいた。
「あ、あの!玖華白様!」
「…ん?何かな?」
突然クラスの子に話しかけられて驚いた僕は反応が遅くなった。話しかけて来た子は数人いて、皆可愛らしい部類に入るような子だった。
「これ、僕達が作ったんです!」
そう言って渡されたのは、紙袋に入っているクッキーだった。
「良かったら…その、食べて欲しいんですが…」
「あぁ…ありがとう。頂くよ」
そうニッコリ笑って返せば、その子達は顔を赤くして「ありがとうございます!」とだけ言って去って行った。
どうして顔が赤かったんだろう。風邪かな?
「というか、暁が居るのによく来れたねあの子達。」
「つか受けとんなよ。」
「どうして?折角くれたのに」
「お前な…立場分かってるのか?」
暁が真剣な顔でそう言ってきた。立場?それは純血種としての?それとも…人間としての?
「…分かってるよ。僕がこうやって普通に過ごせてるのも…玖華白家あってのものだし。」
「……悪かった。……ヒナタ」
「え……んっ」
名前を呼ばれ暁の方を向いたら、突然、触れるだけのキスをされた。
クラス中目が点になっている。うん…僕もびっくりしてる。
てゆうかね、暁もかなりの美形なんだよ。それが今目の前にあるっていうのは心臓に悪い…。
「……ぷはっ……あ、暁!?」
「…ん、ご馳走様」
と、舌をペロと出す仕草は、凄いエロ過ぎた。
「いや…ヒナタだって言えない事くらいあるよなって思って…」
「暁……」
でも、それとキスにどうやって繋がるのかな?
.
最初のコメントを投稿しよう!