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ほんと静かだな…。誰も居ないと。夜になると煩いくらい騒がしいからね…。
キュウキュウ…
………!
「あのコウモリは兄様の……」
外の気に逆さまでぶら下がってるコウモリを見て目を丸くするヒナタ。
朝まで僕を監視する気か…兄様。どして朝まで僕を縛るんだ…。
《帰れ》
メ
瞳で、そうあのコウモリに命令するとコウモリは一瞬怯んだように見え、飛んで行った。
……はあ…。後からまた言われそうだな…。
ほんと恐ろしいね…この力は……
「そろそろ戻ろうかな…」
朝と言っても僕には危険だ。僕の敵はひとつじゃない。人間も敵になるんだから。
部屋に戻るとクリーム色の髪を流れさせた超美形男が壁にもたれ掛かってこちらを見ていた。因みに長身でファンがあちらこちらに山程いるほどイケメン。
そいつは、僕の同室者でクール氷仮面王子と言われる『二階堂暁』(ニカイドウ アカツキ)。
「どうしたの?暁…」
「…………どこ行ってた」
「あ…えと、廊下に出てぶらぶらしてた…」
「…勝手に出歩くんじゃねえ…。朝だからって全員が寝てる訳じゃねえんだから…」
「うん………そうだね。」
て、暁起きてるじゃん…。あ、そか。僕が居なくなった事に気付いて起きてたんだ…。暁だって朝弱いのに…。
「ごめんね…朝に起こしちゃって…」
「お前が無事ならいい…」
そう言って暁は抱きしめて来た。なんだか、ぼくの存在を確かめるみたいに…。
「……暁?」
「………悪い。ちょっと危ないからまた寝る。」
「…?うん、分かった。おやすみ…」
そして暁は自室に入って行った。何だったんだろ…あれ。
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