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この学園は夕方6時から深夜の0時まで授業が行われる。他の学校とは全く違う仕組みだ。
そして、夕方5時ー
皆が起きる時間。勿論暁も起きた。まだ凄い眠たそうだけど…。
「ヒナタ……俺から離れるなよ?」
「分かってるよ。ていうか、毎朝それ言わなくてもいいから。どうせ僕が一緒に居る事を許した友達なんて暁しか居ないんだから…」
「よく言う。他の奴等にだって笑いかけるくせに…。」
「仕方ないでしょ…。僕の性格から無視するのは出来ないんだから…」
「……そうだった。このお人好し」
「それ褒め言葉にしか聞こえないよ?」
クスッとヒナタが笑えば暁はただ頬を赤くして見る事しかできなくて…ー。
ほんとは今すぐにでも喰ってやりたい…。
そんな本音が心の中で渦巻く。だがしかし、それは出来ないのだ。彼等からの呪縛がある限り…。
「さ、行くぞ」
「うん」
扉を開けると数人の生徒が移動していた。が、僕等が目に入ると直ぐに道を開け花道ができた。
暁は気にせず真ん中を歩いて行く。僕はまだ慣れないなあ…。
「玖華白ヒナタ様だ…!」
「今日も大変美しい…綺麗だ!」
「二階堂様!なんて凛々しいお顔…!抱かれてみたい…」
あ…暁、抱かれてみたいなんて言われてるよ。可哀想に…。
でもそれも仕方ないんだよね。この学園は男子校。隣には女子校もあるけど接触禁止だし。自然と恋愛対象が男になる。
僕だって何度襲われそうになったか…。何でか知らないけど。その度兄様の逆鱗に触れて後が物凄い大変になった。本当、どうして兄様が怒るのって思ったけど。
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