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教室に向かい歩く僕と暁。その途中の凄い人集りを見付けてげんなりなる。
「…ねえ、暁…。あれって…」
「……無視だ」
「んー?何だよー。俺の部屋に来たいって??駄目駄目!俺にはもう心に決めた人がいんの!」
僕と暁はその人集りとその中心で大笑いしてる男を避けながら道を通ろうとした。けど……見つかった…。
「あ!ヒナタ!……と、二階堂」
暁の時だけ不服そうな口調で言うそいつは、綺麗な茶髪でかっこよく流してる美形な顔立ちをしている。
その名は『火徠浮挾』(カライ ウキハサ)。
かなり前までは結構な遊び人だったらしい。それが僕があんな事を言ってからそんな遊びは無くなった。
「ヒーナタ!やっと出て来た!」
「僕に近付かないでくれますか」
「何でだよー。ていうか、同い年なのになんで敬語なのー??」
「親しくなりたくないからです。……それに、火徠君くらいですよ。僕なんかに気軽に話かけるの。」
「まあ…これがばれたら縛られるな。会長に!」
「……笑い事じゃありませんよ?本当に殺されるかもしれないんですよ…?」
「そん時はヒナタが助けてくれるでしょ?」
「………当たり前ですけど…」
なんか心を読まれてるようで複雑。少し照れ臭そうにそっぽを向くと浮挾は何かに悶えるように体をくねくねさせる。
「やーん!ヒナタ可愛い!!!」
「…………ひっ」
「おい火徠。それ以上ヒナタに近付くな。」
「んー…?何だい二階堂。嫉妬か?見苦しいな。んんー?」
バカにするような言い草に暁の眉がピクッと動いた。
マズイ…。
「あ、暁!もう行くよ!火徠君!また今度!」
「あ、おい…ヒナタ」
「えっ、ヒナタ!?なんで二階堂にはタメ口?!って無視ーー!?」
ああもう…。ギャラリーが増えてきちゃってる…。これが兄様に知られたらなにされるか…。
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