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もう…火徠君にも困ったものだな…。あんなしょっちゅう絡んでこられたら。
「おいヒナタ。何であいつあんな慣れ慣れしいんだ」
「あー…うん?なんでかな?」
「疑問で返すな。…全く。ただでさえお前は目立つんだから…誰も近付けさせんなよ。」
「…誰も近づいて来ないよ。僕の“血”が恐くてね…」
「………あの人達と同じ血が流れてるからな。お前は。でも、それでも俺はお前の傍にいる。」
「うん…ありがとう暁。」
「……い、行くぞ。つかそんなヘラヘラ笑顔出してんじゃねえよ」
「えっ?何で?どういう意味?待ってよ暁ー!」
先にスタスタ歩く暁を小走りで追いかける。
ーーーーーーーーーーーーー
教室に着いた。とても豪華な装飾をつけられた扉を開ける。その瞬間クラス中の視線が僕達に集まる。
「玖華白様…!今夜も美しいお姿…」
「ああ…なんという神々しさ…」
「見ろ。あの二階堂様のイケメンフェイス。」
「もうボクどうにかして…」
好き勝手言ってくれて嬉しくも何もないね。あんな崇められても困るんだけどな…。
「気にするなヒナタ。」
「別に気にはしてないけど…。……いや嘘。」
というか…微かに血の匂いがする…。まさか、ここで誰かが…
「暁…大丈夫?」
「あぁ…こんなマズそうな血の匂い嗅いだ所で飢えなんてこねぇよ…」
わあ…酷い言い様。きっとこのクラスに居る人の血だと思うのに…。
ガチャリ
すると教室の扉が開いた。
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