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肉体を再構成したときは、コピーとしての肉体であり、必ずしも元の肉体と同一の仕様ではなく、設計図である先天の気は仙界においてきているため、子孫作成はできません。
これを仮説で言い直すと、肉体を素粒子にまで分解、肉体の設計図や意識は、世界を満たす素粒子を記録媒体として、光ディスクのようにメモリーしている、とします。このメモリーを元に、肉体を作り直しますが、先天の気は書き込みに使ってますので、後天の気だけで作成することになり、子孫は作れない身体になります。
かなり語弊のある例えですが、無理に例えるなら、普通の人間をスタンドアローンパソコンとします。データは各人のハードディスクにしかないため、壊れたら、つまり死んだら終わりです。
仙になった場合、クラウドパソコンであり、自分のデータがクラウド、つまり仙界に保存されます。パソコンが破壊しても、クラウドにあるBIOSにあたる先天の気が、ハードであるパソコンを再生させ、クラウドのデータをインストールすることで、甦ると言えましょう。
…いささか現実離れした話しですが、これらは現象として、霊服しかり、仙人の存在しかり、ご出席の皆様はすでにご存知でありましょう。
しかし、初めて参加する方のために、魂仙手の実験映像を今一度見ていただきます。」
スクリーンには、歩きながら機関銃を受けて、なお歩き続けて機関銃に近づき、銃をへしまげたり、戦車砲を受けても平気な瀬織の映像が流された。
数人がうなった。
ハカセは
「このように強力なモノですが、素養がない者には到達できないのが現実であり、今後、素養のある者の子孫をいかに増やしていくか、が課題となっております。
これについては現在進行している計画がありますので、関係各位のご協力とご理解をお願いします。
また、ここから先、数値で実証するには、彼女達がどのように物体に作用してるのかを、より詳しく計測したいところです。
ここの機器類では大まかにしか計れませんので、大規模の研究設備を持つ機関と連携しながら進める必要があります。
この研究予算はすでに申請しておりますので…」
刃平も眠気で意識が遠退きだしたものの、自分のことなので、目が冴えてきた。
(こんなに大掛かりな計画の渦中にいるとは…)
あらためて緊張感を抱く。
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