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頬から空気が抜けたところで鉄也が立ち上がり、2人もつられて立ち上がる。
「あー、よし、そろそろ行ってくるか?」
「…ホントについてきてくれないの?」
「「「うん」」」
笑顔でうなずく3人になにを言っても無駄なことは、ここ1年と半年ほどで分かり切ったことだった。
仕方なく玄関にあるサンダルを履いていると、後ろから声がかけられる。
「約束通り18時まで帰ってきちゃ駄目だよ~」
「服も脱ぐなよ?」
「約束破ったら大変なことになるからなっ」
最後に颯太によって爽やかに念押しされ、俺は立ちあがった。
「わかったよ!いってきぃっ?」
始めて履くヒールの高いサンダルのせいで足元が定まらずドアに激突する理央。
「「「ぷっ、いってらっしゃい」」」
またもや3人に笑われてしまい、怒るどころか恥ずかしくなってそれを隠すようにドアを思い切り閉めた。
★ ☆ ★
「理央だいじょうぶかなぁ~?」
「なにが?」
「あんなに可愛いんだよ?男に食べられたりっしちゃったり?」
「「「あるある!」」」
そんな会話をされているとは微塵にも思っていない理央。
おぼつかない足取りで昼間の街に向かう。
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