第一話:不良少年と不思議な少女

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「うふふ……ほうら、これでも食らいなさい?」 「ひゃうぅんっ!」 「オホホホ! もしや気持ちいいんですの? いい声で鳴きますわね。かわいいですわぁ」 違う! 気持ちよくなんかないもん! ダメよ。集中して、梅屋敷アスミ! アヤカの言葉に惑わされちゃダメ。 平常心を保つの、平常心を! 何とか冷静さを取り戻した私の目に、私の自転車が映る。 何とか間に合った! 私は自転車にまたがり、力を解放する。 その昔、騎兵隊の衣装としてデザインされたブレザーの能力、乗り物を乗りこなす力を! 瞬間、自転車が光り輝き、ものすごいスピードで発進する。 しかし―― 「こ、故障!?」 古くなっていた自転車は、そのスピードに耐え切れずに大破してしまったのだ。 「え……? きゃああああああ!」 自転車から投げ出された私は、ガードレールを飛び越え、遥か下に見える路地裏へと落下していくのだった……。
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