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「うふふ……ほうら、これでも食らいなさい?」
「ひゃうぅんっ!」
「オホホホ! もしや気持ちいいんですの? いい声で鳴きますわね。かわいいですわぁ」
違う! 気持ちよくなんかないもん!
ダメよ。集中して、梅屋敷アスミ!
アヤカの言葉に惑わされちゃダメ。
平常心を保つの、平常心を!
何とか冷静さを取り戻した私の目に、私の自転車が映る。
何とか間に合った!
私は自転車にまたがり、力を解放する。
その昔、騎兵隊の衣装としてデザインされたブレザーの能力、乗り物を乗りこなす力を!
瞬間、自転車が光り輝き、ものすごいスピードで発進する。
しかし――
「こ、故障!?」
古くなっていた自転車は、そのスピードに耐え切れずに大破してしまったのだ。
「え……? きゃああああああ!」
自転車から投げ出された私は、ガードレールを飛び越え、遥か下に見える路地裏へと落下していくのだった……。
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