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「パパ! いきなり入って来ないでよ!」
パパ……?
この、博士(笑)はアスミの父親なのか。
「いけないぞアスミ! 年頃の娘が『入って来る』なんていう卑猥な言葉を使っていては! 父は悲しいぞ!」
変態だ。この博士、変態だ。
「は、入って来るって……そ、そういう意味じゃないよ!」
「そういう意味? そういう意味とは、どういう意味なんだいアスミ! お前の可愛い口から聞かせておくれ、さあアス……ぎゃああああ!」
博士が言い終わるより前に、ロボット少女が胸部の着脱式ミサイル(いわゆるおっぱいミサイル)を発射して博士を攻撃する。いいぞ、もっとやれ。
「……うちのバカ創造主が失礼を致しました。私はヘミナ。誠に遺憾なことに、このゴミ……げふんげふん。梅屋敷博士に作られてしまったアンドロイドです。この度は手荒な真似を致しまして大変申し訳ありません」
俺を拉致したロボット少女……ヘミナが深々と頭を下げる。無くなったはずの胸は、いつの間にか復活していた。
「あなたをお呼びしたのは他でもありません。実はあなたに、アスミさんを守って頂きたいのです」
「アスミを……守る?」
「はい、アスミさんは戦っているのです。恥ずかしさと恐怖に耐えて……」
ヘミナの言葉には、確かな悲しみが込められている。
なんだか分からないが、どうやら俺の日常は非日常へと姿を変えてしまったのだと言うことは確実みたいだった。
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