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「な、なんじゃこりゃああああ!」
思わず叫ぶ泉岳寺君。うん、これはひどいよね。うん。
「アスミ様の衣服に合わせられると言ったはずです。あなたの場合は服が消えることはありませんし、戦いが終われば戻るから大丈夫です」
「大丈夫なわけあるかあああ! ごつい男のブルマー姿なんて誰が喜ぶんだよ、おい!」
「見苦しいぞ、小僧。マスターの衣装に影響されてしまうのは、貴様の精神力が足りぬからだ」
そう言って泉岳寺君の前に立ちはだかったのは、アヤカの執事の糀谷さん。
確かにあの人の服はアヤカの蜘蛛衣装ではなく、執事服だった。
「はっ、偉そうに。アスミ、待ってろよ。このクソジジイぶっ飛ばして、すぐに助けてやるからな」
「ありがとう……泉岳寺君……」
「わしをぶっ飛ばすか。面白い、やってみろ!」
糀谷さんが吠え、獅子を思わせる構えをとる。
泉岳寺君は臆することなく、大地を蹴って飛び込んでいった。
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