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「根性はある……か。おもしろい!」
糀谷の左手が、そのまま軌道を変えて俺の足に伸びる。
そして俺の膝を掴むと、そのまま……ひねりあげた。
「うがあああああああ!」
形容できないほどの痛みが、俺の膝から全身を駆け抜ける。
「関節を外した。ここまではしたくなかったが……致し方ないだろう」
マジかよ! くそ……やべえ、意識がとぶ……。
「もういいよ! 本当にもういいから! もうやめて……」
アスミの悲痛な叫びが聞こえてくる。
くそ……まだだ、まだ俺は……だめだ、意識が途切れる……!
「全く、弱いくせに被害者ぶって友情ごっことは反吐が出ますわね。だったらいっそ、とことんまでやってあげましょうか」
アヤカの声が、遥か遠くのように聞こえてくる。
「ここに、私の男性使用人を全員呼び集めましょう。アスミさんの恥ずかしい姿を見てもらうのですわ」
なんだ……何を言ってるんだ……?
「興奮した使用人がアスミさんにオイタをしてしまうかも知れませんが、それは仕方ないですわね。揉み消しはできますから、問題などありませんし……オーホホホ!」
俺は、閉じかけた目を開いた。
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