第一話:不良少年と不思議な少女

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  「な、ななななんだ!?」 「きゃああああ! どいてどいてえええええ!」 どいてと言われても、ここ凄い狭い路地裏なんですけど!? それに、このまま落ちたらあんただってタダじゃ済まないんじゃないか? ええい、迷ってる暇はない! 女の子が地面に落ちる寸前、俺は大きく手を広げてその体を受け止めた。 ――つもりだった。 「ぐぎゃっ!」 カエルが潰れたような悲鳴をあげて、俺はアスファルトの地面にたたきつけられた。 上空から落ちてくる人間の重みと言うものを甘く見ていたらしい。 背中に感じる、固い大地の感触。そして顔を包み込む柔らかい……え? ええっと、俺の上にいるのは女の子で、だとするとこの柔らかい二つの膨らみは…… お……お……おっぱ…… 「ご、ごめんなさい! 大丈夫ですか!?」 不意に、俺を包んでいた暖かく柔らかい感触は消え、代わりに冷たい風が触れた。 「お怪我はありませんか!? ごめんなさい、迷惑をかけてしまって……」 少女が俺を覗き込むようにして謝罪の言葉をまくしたてる。 少し茶色がかった髪を片側だけ結んだ、明朗そうな少女。 しかし、俺の視線は否応なく別の方向へ向けられてしまう。 その少女が着ているのは、うちの学校のブレザー。 しかしその胸元やスカートは所々まるで消え去ったように四角い穴が開いていたのだ。
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