第一話:不良少年と不思議な少女

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「あ、あんた……その格好……」 「ふえっ? ……きゃあっ!」 俺が尋ねると、少女は慌てて胸とスカートを押さえる。 「こ、これは違うんです! ちょっと事情が……」 そう言いかけた少女が、何かに気付いたようにハッと顔を上げる。 「危ない!」 そして、またその柔らかい胸で包むようにして俺を抱きかかえ、その場を飛び退く。 瞬間、俺たちがいた場所で謎の光球が爆ぜた。 「な、なんだなんだ!?」 「くそっ! しつこいのよ!」 少女が俺をゆっくりと降ろして悪態を吐く。 少し遅れて、上空からイカれた金髪縦ロールのトレンチコートを着たお嬢様が、高笑いを上げながら舞い降りてきた。 「オーホホホ! ちょこまかとうるさいギンバエでございますわね! とどめを差してあげますわ!」 うわ、今時オーホホホなんて笑う女、初めて見たぞ! しかし全く状況を把握できてない俺とは対照的に、横の少女は真剣な表情で唇を噛んでいて、お嬢様は何やら勝ち誇った様子で光の球を生み出している。 少女は、相当スタミナを消耗しているようで、すでに肩で息をしている状況だ。 よく分かんないけど、この子がピンチっていう解釈で合ってるよな、そうだよな。 ならば、とるべき行動は一つだろう! 「死になさい!」 お嬢様が光球を放つ。 少女は咄嗟に動けない。 俺は迷わず少女を抱え、近くの看板の陰へと飛び込んだ。
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