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「ふーん。天空橋アヤカが負けるなんてね」
窓から双眼鏡を覗きながら、あたしは呟いた。
この辺りで他の参加者をフルボッコにしていると有名だったあのお嬢様が負けるなんて、なかなか面白い子がいたものね。
あたしは双眼鏡を置いて、着ていた制服を脱ぎ捨てる。
ベッドの上に置かれたカバンに付けられたお気に入りのストラップが、あたしを見つめているようだった。
「でもまあ、あたしが負けるわけないんだし」
ワイシャツを無造作に放り投げ、スカートをその上に重ねる。
鏡には、あたしのセクシーな下着姿が映し出される。うんうん、あたしってば今日もめちゃめちゃキュート!
胸だって大きいし! 胸だって大きいし!
そしてあたしが取り出したのはテニスウェア。
これが、あたしの戦闘服。あたしという戦うボディ。
これで、まずは敗北してテンションが下がっているであろう天空橋アヤカを倒す。そして、勝利して調子に乗っているであろう梅屋敷アスミを倒す。
あの恐ろしいブレイザーキャノンも、あたしのテニスウェアの前では無意味。
――そう、最後に笑うのはこのあたし。
テニスウェアを着用したあたし、マジ決まってる。マジきゃわたん。
「絶対に頂点に立って、願いを叶えるんだし!」
ラケットを掲げて意識を新たにするあたし。
その瞬間、胸からポロポロと落ちていくものが……
「きゃー! あたしのパッド!」
あたしはそれを慌てて拾い集め、ぺたんこな胸に装着する。
うぅ……絶対に、胸を大きくする願いを叶えてやるんだからあああああ!
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