監禁

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俺の部屋のベッドには、裸に首輪と手錠を嵌められた女が横たわっている。 彼女は不敵な笑みを崩すことなく、俺を真っ直ぐに見つめている。 彼女の傍らには一台のノートパソコン。あれが俺の命綱だ。 あれから数時間をこの女と過ごしているが、こいつが俺を逮捕させたいわけではないのは本当らしい。 証拠に、あの男の死体を処理する際には的確な指示を与えてくれた。 マンションに住む数少ない住民の行動パターン、死体を埋めるのに適した山、あの男の携帯を使って会社への向こう数日程度のフォローなど。 諸々を終えた後、俺は約束通り彼女を家に連れ帰り、監禁したのだ。 しかし、こんな状況ではゆかりを家に連れてくることもできない。 やはり、なんとかしなくては…… そんな、思案に暮れる俺を見透かしたように、女が笑う。 「ねえ、私を抱かないの? 私、なにも抵抗できないわよ?」 まさに悪魔の誘惑。 美しい身体が扇情的に俺を誘ってくる。 俺はたまらずに、その身体に飛び付いた。
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