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「ふふふ、もう許していただけるのかしら? ご主人様」
ひとしきり行為を終えてタバコを吸う俺を、玲愛が後ろから抱きしめてくる。
滑らかな肌が俺に密着すると、萎えたはずの劣情がむくむくと身をもたげてくる。
しかし、今は色々と聞きたいことがある。
俺は気を強く持って玲愛を引き離し、問いかけた。
「お前はいったい何者なんだ。どうしてあんなところにいたんだ?」
すると玲愛は、愉快そうに笑った。
「ふふっ、そんなの一つしかないじゃない。私はあの男の恋人だったの。だからあそこにいた。それだけよ」
「だったらなんで俺にこんなことを!」
「逆らったら殺されちゃうでしょ? そんなのいやだからよ」
――違う!
俺は直感的にそう思っていた。
この女なら、もっと上手く俺から逃げおおせることができたはずだ。
それなのに、なぜ俺に監禁されることを選んだのか。
いくら考えても答えは見つからなかった。
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