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「じゃ…じゃあ…
お風呂だけ先に…」
言いかけた千夏を
強引にお姫様抱っこ。
「ちょ!ユキくんっ!」
慌てる千夏にニコリと
笑みを落として。
「一緒に入ろう」
「え??」
「あ、でも狭いな…」
「ユ…ユキくんっ」
「ん?」
「ここは温泉なんだから…
温泉に入らないとっ」
「混浴以外はお断り」
「えぇぇ?」
眉を斜めに下げて困り果てる千夏を
しぶしぶ床におろしてやる。
と、千夏は慌ててテーブルから
インフォメーションを持って来て。
「貸し切り風呂だったら…
混浴出来るみたいだよ。
だけどこんな時間でも大丈夫かな?」
そう呟きながら首を傾げた
千夏の可愛らしさに
また笑みが零れる。
「フロントにコッソリ聞いてみるか」
俺の言葉に嬉しそうにウンと頷いた
千夏に堪えきれずに軽くキスして
俺はフロントに内線を繋いでみた。
『今日は一般のお客様は
ほとんどいないので大丈夫ですよ』
返って来た答えに少しホッとして。
「じゃ今から入りますけど。
会社には内緒でお願いします」
『かしこまりました』
内線を切ってソワソワしてる
千夏の手を握った。
「風呂、行くぞ」
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