3250人が本棚に入れています
本棚に追加
ほんの少しだけ千夏と
抱き合って眠った後、
千夏が前島さんの待つ部屋へ
戻って行くと
待ってましたかのように
橋本が戻って来た。
「部長、やったんか?!」
部屋に入って来るなり
言われた言葉に思わず吹き出す。
「どーしてお前はそう
えげつないんだよ」
「大阪男児は何でも
ストレートやねん。
遠まわしな事は言わへん」
「はいはい。
しっかり抱かせて頂きました」
笑いながら言った俺に
橋本はニマリと笑って。
「千夏の声が聞こえたらあかん思って
両隣の部屋のメンバー全部
移動させたんやで?
俺ってエライやろ?」
…どんだけ気が利くやら。
そう思いながら橋本の頭を
クシャッと撫でてやった。
「おりこうさん」
「なんやそれ?ガキ扱いかいな」
「ああ、俺から見たらまだまだ
橋本はガキだよ。
だけど、最高にカッコいいガキだ」
俺の最大限の褒め言葉に
橋本は照れ臭そうに鼻の下を
クシュクシュとこすって。
「今日の部長も、めっちゃカッコいいで」
「それはそれは。さ、朝飯行くぞ」
「おう!」
頭のてっぺんが寝癖で立ってる
橋本の姿に笑みを浮かべながら
朝食会場へと足を進めた。
心で何度も橋本に語りかけながら。
ありがとな、橋本。
最初のコメントを投稿しよう!