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「大丈夫ですか?」
すぐ近くにいた河上が成田にそう声をかけて、
「あ、大丈夫です。ありがとう」
――。
河上がやけに好感すぎて、俺がヤなやつみたいだろ。
ふん。
いいけど、別に。
それ以上なにをやってもロクなことになりそうにないから、成田なんか無視して黙々と作業。
そして数時間後。
出野さん達が到着した。
「ちょっと、成田さん」
いきなり響き渡る、御機嫌ナナメな、五木さんのカナキリ声。
「は、はいっ」
顔面蒼白で慌てて駆け寄っていく成田の後姿
五木さんはチラッとイベントスペースを確認すると、成田の手を引いて裏側に引きずっていった
「冗談じゃないわ」
「ど、どうしたんですか!?」
「こっちのイベントの方が断然大きいのに、どうして私が名古屋なの?」
「……」
丸ぎこえ。
「名古屋はスタッフとエリアの子に任せて来たのよ、こっちが心配で」
「……あ、ありがとうございます」
「出野部長は名古屋に残って見てくれ、って言ってたんだけどね」
「――凄いっすね、あの人」
河上が苦笑いをして俺に近付いてきた
「助けてやれば?」
「えっ」
「成田」
「いやー、アレはちょっと」
ふん
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