10149人が本棚に入れています
本棚に追加
それが、あんまり俺に向けられないことが、一番の不服だけど。
「イチさんが言ってくださいよ」
「あー、ムリ」
――めんどくせえし。
「したらば私はもっと無理だもん」
「キャラ的に許されるって」
したら、お前の力になんねーだろ?
俺が助けたら。
「間違ってないなら、言やいーんだよ」
「それ、イチさんが言うの?」
……。
「ナニが」
それ、どういう、意味。
「あー、腹へった」
「そうですね」
誤魔化して、ばっか。か。俺。
わかってる
でも、
居心地がいーの、お前といると
だから、失いたくないって、恐怖
悟られるわけには、いかないだろ?
格好悪くて、そんなん
見せたくない――のに
「先にチェックイン済ませてから、15分後にロビーに集合だぞー」
ビジネスホテルについて、出野部長がそう皆に伝えた。
それぞれにチェックインを済ませて。
エレベーターに乗り込む。
皆が次々にエレベーターを降りていく。
停止した階は、16階。
――降りたのは
「あれ?お前だけ?」
偶然とは恐ろしい。
「……みたいですね」
向かい、斜め。
成田の、部屋。
最初のコメントを投稿しよう!