知らないキス

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だから今日も部活に行く。 「美穂ちゃーん、タオル!」 「はいはい」 「コータ! 真咲さんを使ってるんじゃない!!」 「いいよ、藤井君も」 変わらないようで少しだけ景色の変わった体育館。 男バスの3年で残ったのはコータとアキだけ。後は引退してしまって少し寂しいくらい。 練習も目標が冬に変わったこともあって、以前のように厳しいものではない。 どちらかと言うと基礎体力UPがメインだから地味なトレーニングが多い。 そして隣を見れば女バスも人数が減ってしまって、当然のように真由美の姿もない。 「なんか……」 寂しいなぁ。なんて思いながら眺めていいると、 「邪魔」 「え?」 突然声掛けられて、振り返れば、 「邪魔って言ったの」 「……」 泉が立っていた。
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