知らないキス

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「……」 「レオ?」 隣で黙り込んでしまった彼に声をかければ、元々浅黒い顔なのに赤くなったのが分かるくらい赤く顔を染めて。 「……忠告しとく」 「ん?」 「それ、他のやつの前でいうなよ?」 「どうして?」 本気で理解できなくて首を傾ける凌にレオは「はぁ」と大袈裟にため息を。 「男でも勘違いするから」 「ん?」 「少しでもその気があるやつなら間違いなく襲われるぞ」 「……」 ここは日本とは違って同性愛にも寛容で――。 「にっこり笑って『好き』はやめろ」 「別にレオを好きっていったわけじゃないよ? あ、レオのことは勿論好きだけど。勿論『好き』の種類が違うから」 そう説明しながらもにっこりといつもの笑顔を見せるから、 「だーかーら! それを止めろ!!」 レオの叫び声がキャンパスに響いた。
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